沖ノ島視察が東京新聞に掲載されました

1月10日(金)の千葉県館山市沖ノ島の視察の様子が、房日新聞に続き、14日(火)付東京新聞千葉版にも掲載されました。
復旧費用予算見通しのために同行した館山市職員の方々に、これ以上貴重な自然が崩壊しないための環境再生の方向性や、倒木や落ち葉などを廃棄せずに資材として活用するなど、具体的なアドバイスを行いました。

 写真協力 NPO法人 たてやま海辺の鑑定団(2点とも)


「台風15号で被災 沖ノ島の緑 再生へ」(東京新聞千葉版 14日)

(以下引用)
昨年九月の台風15号で被災した館山市の沖ノ島を巡り、地元のNPO法人「たてやま海辺の鑑定団」(竹内聖一理事長)が市などに呼び掛け、十日、専門家を交えた現地調査を実施した。専門家は、土壌環境の改善を怠ってきたため、樹木が保水力を失い、強風で倒れやすい状態にあったと指摘。「緑の再生は可能」と参加者約二十人に長期的な取り組みを促した。 (山田雄一郎)

この日招かれたのは、NPO法人「地球守(もり)」(千葉市)代表理事の高田宏臣さん(50)で、造園設計事務所社長の肩書も持つ。島を管理する市都市計画課職員らも二〇二〇年度当初予算案編成を控え、復旧費用を見通そうと足を運んだ。

一行は、古くは縄文時代の地層がのぞく島の外周からチェック。経年劣化でもろくなっている岩場を慎重に伝い、高台の宇賀明神に分け入った。もともとはシイやカシ、ヤブニッケイが生い茂る空間だったが、今は倒木だらけで、神社の屋根にはブルーシートがかけられたままだ。

道端に堆積した泥を指さした高田さんは「土の状態が悪い証拠」と言い、辺りの水はけが良ければ、普通は流されて消えるとした。足元の落ち葉が、かさかさになっていることも見逃さず、「台風15号のような強い風は過去にもあったはず。今回、被害が拡大したのは、土も木も弱っていたからではないか」と推測した。

対策として挙げたのが、通路の左右にくぼみを造って降雨時の水回りをよくしたり、高台のアスファルトを階段状にして、水の流れを島の隅々まで行き渡らせたりすること。「土さえしっかりしていれば植樹も可能。土が悪いと高木の新陳代謝もままならない。森の表情も違ってくる」と熱を帯びた口調となった。

おびただしい倒木や落ち葉は廃棄物として処分せず、土にまぜて豊かな土壌にするなど、島内で再利用が望ましいとも訴えた。

海辺の鑑定団の竹内理事長は「館山市と連携し、自然の復活する力を手助けしてあげようと思う。やるべき方向性を見つけた一日となった」と総括した。

転載以上。