今回の自然読本❺は、沖縄の観光と環境を取り上げました。
「沖縄」と特定の地域名を取り上げたのは、2021年7月に沖縄・奄美の「やんばるの森」が世界自然遺産に登録されたことがきっかけです。
沖縄の方だけでなく、日本全国のみなさまと観光と環境についてともに考えたい。
以下、代表理事・高田宏臣の自然読本❺発刊への思いです。
ー今年の7月、沖縄北部の三つの村、奄美大島、徳之島、西表島の世界自然遺産登録が決定しました。
地元ではそれによって地域の発展を歓迎する声が聴かれる一方で、ひっそりと保たれてきた暮らしの環境が大きく変貌してゆくことを危惧する声も聴かれます。
土地の自然環境の中での人の営みの積み重ねが美しい風土をつくり、独特の温かな文化を育んできました。
それこそが、未来につなぐべき地域の宝、国の宝、人類共通の宝と言えるでしょう。
世界遺産登録の趣旨は本来、失ってはいけない宝を未来に守り繋ぐことにあるのではないでしょうか。
ところが、こうして世界遺産認定の後、多くの地域では観光開発のはざまで土地は荒れ、乾き、訪れる人の心を洗いうる、重厚な自然文化の息吹はいつの間にか感じられなくなってしまう。残念ながらそんなケースがとても多く指摘されます。
「以前はよかった」「以前のほうがよかった」という声はよく聞かれます。
こうしたことは沖縄に限らず、現代の日本、全国共通の課題であります。
豊かな自然と文化が育んできた大切なものはなにか、それに気づき、そして未来につなぐにはどうしたらよいか、私たちと一緒に考えていただければとの願いを込めて、自然読本❺を編集させていただきました。
これまでよりも4ページほど増えて、28ページとなりました。いよいよドネーション受付を開始いたします。
地域が育んできた大切な宝、自然と文化を次世代に守り伝えるために、本質的な部分から問いかけ、そして行政、教育機関、地域、観光、環境、文化、地域を支えてこられた様々な分野の方々にぜひ、手に取っていただきたいと願います。
なお、11月20日(土)には、沖縄のシジナミ再生プロジェクト実行委員会さまと地球守の共催で、自然読本と同タイトル「沖縄から観光と環境を考える 暮らし・風土・文化のかなめ 聖地の意味と守り方」(予定)で、シンポジウムを沖縄本島にて開催いたします。
今回の自然読本❺制作へのドネーションは、このシンポジウム開催にも活用させていただきます。
なお、シンポジウムの詳細は、10月なかば以降にサポートメンバーのみなさまにお知らせいたします。