地球守ラジオ 令和6年能登半島地震 政策から環境・風土をどう守るか? ー東北と能登半島から考える地域らしい復興とは?

2024年1月29日(月)石川県珠洲市より配信いたします!

この度の令和6年能登半島地震でお亡くなりになった方々に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された方々、避難所やいまだ日々の暮らしで困難な状況でお過ごしの方々に心よりお見舞い申し上げます。

2024年元旦、能登半島の和倉温泉で被災した高田宏臣は、その後3回ほど石川県珠洲市、七尾市、金沢市で支援・調査活動を行ってまいりました。能登の自然環境、風土、文化を継承してきた地域の方々の生きる力が、能登の豊かさ、美しさを育んできたことを改めて感じると同時に、自然の大きな力によって失われたものの甚大さを目の当たりにしました。 

今後の復興の中で、日々の穏やかだった暮らしの風景、能登の美しい環境が一変してしまうことを不安に思う地元の方々の声を、私たちは調査の中でお聞きしました。いま危惧しているのは、政策がもたらす地域社会、自然環境、風土の破壊が起きることです。

2011年東日本大震災復興では、生命を守るために国の大きな予算を投じて行われる過剰なインフラ整備によって、住民が望むほんとうの暮らしの豊かさが失われていきました。

地球守は、2021年から2023年の3年間、宮城県石巻市北上町北上川河口の十三浜のひとつ、長塩谷地区で展開している「平地の杜プロジェクト」でこの問題に向き合ってきました。プロジェクトを主宰する一般社団法人ウィーアーワン北上代表の佐藤尚美さんは、震災後10年たった時に、美しかった十三浜が非可住区域となって放置され、荒れ果ててしまった姿に、「このままでよいのだろうか。50年後に帰りたくなるふるさととして被災元地を森として育てたい」との思いで地球守に声をかけてくれたのです。

毎年秋に行う施工会で、津波の被害を受けて高台に移転した十三浜の元住民のみなさんからお聞きする、かつての浜の姿、そこでの営みや暮らしの中に美しい里海の風景があった思い出話は、私たちにとっての財産であり、「大切な地元、ふるさとの風土・環境をどのように次世代につなぐことができるだろうか?」という問いを持つきっかけにもなりました。

これからの復興を考えるときに、「穏やかな暮らしを喜びとする小さな声を政策に届けるには、住民ひとりひとりの声をきちんと集めることが大切」という佐藤尚美さんが、地域に根ざした声をまとめる能登半島のキーパーソンとして石川県七尾市で民間まちづくり会社の株式会社御祓川を経営する森山奈美さんを紹介してくれました。

今回の地球守ラジオでは、佐藤尚美さんからは東北での経緯と地球守との活動のきっかけと、目指しているものについて。森山奈美さんからは、いま七尾市で暮らし、活動をされて感じていること、風土・環境を守っていくために不可欠な住民の方の関わり方についての思いをお話しいただきます。

今回も多くの方と共有したく、無料配信いたします。
ぜひご家族、お仲間、地域の方々とご視聴いただければ幸いです。

<ゲスト>


森山 奈美(もりやま・なみ)

株式会社御祓川代表取締役、いしかわ地域づくり協会コーディネーター。
1973年石川県七尾市生まれ。横浜国立大学工学部建設学科建築学コース卒業。都市計画専攻。
1995年㈱計画情報研究所入社。都市計画コンサルタントとして、地域振興計画、道路計画等を担当。民間まちづくり会社、株式会社御祓川(みそぎがわ)の設立に携わり、1999年より同社チーフマネージャーを兼務。2007年より現職。川を中心としたまちづくりに取り組み、その取り組みが日本水大賞国土交通大臣賞、第7回「川の日」ワークショップグランプリ、橋本龍太郎APFED表彰プログラム石川特別賞金賞などを受賞。平成21年に、経済産業省「ソーシャルビジネス55選」に選出された。近年は「能登留学」で地域の課題解決に挑戦する若者を能登に誘致している。
様々な主体が関わるまちづくりのつなぎ役として、能登の元気を発信し「小さな世界都市・七尾」の実現を目指して日々、挑戦中。
http://misogigawa.com/






佐藤尚美(さとう・なおみ)
一般社団法人ウィーアーワン北上代表。

1973年生まれ。宮城県石巻市蛇田出身。 1997年に北上町(2005年に石巻市と合併)に結婚を機に転居。3児の母。 東日本大震災の津波により夫が他界。現在は津波による被害で非可住区域となった被災元地である北上川河口の十三浜のひとつ、長塩谷(ながしおや)で、NPO法人地球守とともに、50年後に残したい風景を取り戻すための取り組み「平地の杜プロジェクト」を2020年から継続して展開。この取り組みは2023年度グリーンインフラ大賞国土交通大臣賞を受賞している(YouTube動画あり)。 震災後、一貫して「住民自治」の立場から、住民の望む復興のあり方を模索。行政・外部協力団体と住民のあいだをつなぎ、高台集団移転をはじめ、合意形成の主要な役割をになってきた活動は、研究者はじめ全国で注目を集めている。平成30年度総務省ふるさとづくり大賞では、合意形成の取り組みが評価され、団体として優秀賞受賞。同時期に個人部門で受賞した石川県七尾市の民間まちづくり会社「御祓川」の森山奈美氏はじめ、コミュニティナースの活動などで注目される島根県雲南市、出雲市との交流など、地域自治に注力する全国の団体・行政と交流。 現在は残したい風土・未来を次世代につなぐため、「事前復興計画」の重要性とともに、地域自治、住民自治の あり方を講演などで伝えている。
https://www.heichinomori.com/

も多くの方と共有したく、無料配信いたします。
ぜひご家族、お仲間、地域の方々とご視聴いただければ幸いです。

<ホスト・解説>

高田宏臣(たかだ・ひろおみ)

<司会> 小川彩(おがわ・あや)

<概要>

配信日時 2024年1月29日(月) 19:00−21:00

参加費 無料

・ドネーションチケット(1,000円、3,000円、5,000円)

申し込み方法

ピーティックスページにて。

ドネーションチケットにお寄せいただきましたご寄付は、森山奈美さんが代表を務める、七尾市の株式会社御祓川さまが関わる災害支援活動、および地球守の支援・調査活動に活用させていただきます。

内容は予告なく変更する場合がございます。あらかじめご了承くださいませ。

多くの方のご参加、ご視聴を心よりお待ちしております。