有機土木協会と石坂産業 産業廃棄物を再生したリサイクル資材の活用で「リジェネラティブ・インフラストラクチャー」を目指し、協働

自然の自律的な働きと調和するインフラ構築を目指す、一般社団法人 有機土木協会(所在地:千葉県千葉市、代表理事 高田宏臣)と、産業廃棄物のリサイクラーである石坂産業株式会社(本社:埼玉県三芳町、代表取締役:石坂典子、以下 石坂産業)は、産業廃棄物を再生したリサイクル資材を、有機土木®️(※1)の施工材料として供給し、「有機土木®️×石坂モデル」の協働をすることとなりました。
地球守はこの協働の発表の広報を担当しております。

現代土木・建築業界は、大規模開発や災害復興復旧工事のために既成の建材を大量消費する中で、建材の原料採掘や廃棄によって山林環境が荒廃するといった課題を抱えています。

また、サーキュラーエコノミー社会への移行が求められる中、産業廃棄物処理業界では、廃棄物の徹底的な分別・分級によるリサイクル率向上はもとより、再生したリサイクル資材の価値向上と活用領域の拡大が課題となっています。

こうした中、有機土木協会は、土に還る有機資材(針葉樹材、広葉樹(えだ)粗朶(そだ)、丸太杭、落ち葉、竹炭、もみ殻くん炭、稲藁、瓦、自然石、コンクリートガラ・アスファルト片)を主に資材として採用し、各地で供給可能な状況にする、有機土木®️の社会実装を目指しています。石坂産業では、産業廃棄物を資源ととらえ、埋め立てに回すことなく土に戻す研究に取り組むなど、リサイクル資材の製品開発を積極的に進め、資源や資材としてそれらが当たり前に使用され循環していく社会の実現を目指しています。

このたび、有機土木協会が施工を担う土木現場に、石坂産業が再生した砕石、コンクリートガラ、瓦チップ、ウッドチップなどのリサイクル資材を供給することで、新たな地球資源を使わずに、その土地に根差した循環の仕組みが回っていく「有機土木®️×石坂モデル」の実装に取り組み、「リジェネラティブ・インフラストラクチャー」を目指します。

現在、有機土木協会が施工協力を行う「那須まちづくり広場」(※2)(那須まちづくり株式会社・栃木県那須町)に、石坂産業が再生した瓦や砕石などのリサイクル資材を供給し、地盤改良剤や締め固めによって硬化した土地の滞水改善施工が進行中です。これまで自然石、コンクリートガラを用いて、水溜まりやぬかるみが出来やすかった敷地内に、暗渠(あんきょ)や雨落ちなど雨水が土中に浸透し、土地で涵養(かんよう)される環境をつくることで、土中環境が改善され、人間だけでなく、植物をはじめとした多様な生きものが健康に生きられるようになります。

有機土木の施工を進めている那須まちづくり広場(栃木県那須町)。

石坂産業のリサイクルプラント

リサイクル資材(瓦)

リサイクル資材(砕石)


有機土木協会と石坂産業の協働により、ともすると廃棄・放置されるものに脚光を当て、リサイクル資材や、土地の循環の中で得られる地域資材を積極的に取り入れ、その地域や土地が本来持っている環境や風土、文化をも再興していく「逆開発」を目指します。有機土木®️と資源再生の掛け算により、健康で豊かな土地を育み、すべての地球資源が循環する社会に向け、取り組みを進めて参ります。


<本件に関する問い合わせ先・取材お申し込み窓口>

・一般社団法人 有機土木協会(広報担当・特定非営利活動法人 地球守)
info@chikyumori.org

石坂産業株式会社
info@ishizaka-group.co.jp

※1)有機土木®️:土地環境を傷めずに安定させてきた、伝統的な民間土木の知恵を継承し、自然の自律的な働きと調和するインフラを構築する視点と工法。施工そのものが有機的に変化しながら平衡状態を保つように構築することにより、人間を含む多様な生態系の豊かさを保全する可能性を持つ。
一般社団法人 有機土木協会

※2)那須まちづくり広場:「那須まちづくり株式会社」が手掛ける、高齢者住宅を中心とした少子高齢社会の新しい拠点「100年コミュニティのまちづくり」を実践するために設立された共生型コミュニティ。
那須まちづくり広場