千葉市の泉谷公園に4つ目の落ち葉ステーションを設置しました

「落ち葉は宝」プロジェクトならびに地球守活動基金のサポートのもと施工いたしました

2022年2月15日、千葉市緑公園緑地事務所さまご協力のもと、千葉市おゆみ野の泉谷公園に落ち葉ステーションを無事に設置いたしました。

昨年11月の「落ち葉は宝プロジェクト」で寄せられましたみなさまからのチャリティ、ならびに地球守活動基金を活用させていただきました。
ご支援くださいましたみなさまに、心より感謝申し上げます。

公園上部の尾根筋付近に設置しました。奥の遊歩道が内側にカーブしており水が集まる大事な場所です。

泉谷公園の名称の由来は、元禄時代に「泉谷」と呼ばれた谷筋から豊かな湧水が存在していたと古文書に記されていることにあります。かつて下流域では農業用水として使用されていましたが、現在はホタルの飼育施設や下の池、上の池というふたつの池があり、当時の湧水の恩恵の名残が見受けられます。

初夏には菖蒲も美しく咲き、多種多様な樹木とそれに守られるようにさまざまな植物たちがみられ、地元の方々の憩いの場となっています。

2021年に千葉市緑区の「昭和の森」に3箇所つくりました落ち葉ステーションでも、設置場所は慎重に選びましたが、ここ泉谷公園でも、周辺の住民の方々が利用しやすい入口で、公園敷地内の上部の尾根筋付近、そして水源のそばを選びました。大きな樹木のほどよい木陰と木々の幹のミネラルを含んだ雨水が、集めた落ち葉を良好な状態に保つことも大切です。付近の斜面には雨水が浸透しやすくなるよう、縦穴や溝切などもしっかり施しました。

斜面にも通気浸透のライン(溝を掘り、枝粗朶などの有機物でしがらみを作る)を等高線に添って作ります。
設置場所にあった実生の南天を植え替えるために掘り起こします。

この公園は起伏があり、尾根筋付近に手を入れる際には特に配慮が必要です。
山の環境に当てはめてみると、樹木の安定した枝の張り具合から尾根筋の土中の潤った環境を推測することができます。山は巨大なダムといわれますが、一旦土が乾き、水と空気の動く地表や土中の無数の穴が泥詰まりを起こし、樹木が根を張りづらくなると、土中の健全性に悪影響が出ます。山の頂上部にまで水を押し上げていた樹木の根のポンプ機能の力が低下し、尾根筋の力のある樹木がまず枯れてゆくからです。

焼杭を垂直に打ち込みます。さらに石を差し込み安定させます。用いる材はすべて土に還るものであることもポイントです。
焼杭の上部で水平をとります。
竹柵の間隔を長さ10㎝の細枝で測り、焼杭に印をつけます。
竹を4等分に割ります。
竹柵の仕上がりが均一になるよう互い違い(末元)に配します。竹の直線の美しさが映えます。

通りがかった住民の方から「落ち葉ステーションに持ち込む植物に制限はあるのでしょうか? 例えば毒性のある夾竹桃などは、自治体によっては禁止しているのですが」という質問をいただきました。

自然界に排除しなければいけないものはなく、さまざまな植物が混ざり合って分解され、循環のループに組み込まれてゆくこと、循環の仕組みを身近に感じていただきたく、この落ち葉ステーションがあることをお伝えしました。

湿らせたシュロ縄で、割竹を焼杭と竹杭にからげてゆきます。
直線の竹でも自然の産物で個性があります。ここでもバランスをとりながら取り付けてゆきます。

樫落葉(カシオチバ)という初夏の季語があります。

シラカシなどの常緑樹は芽吹いた新芽に押されるように落葉します。その時にはなかなか分解する気配はありませんが、秋になって広葉樹の葉がその上に重なり落ちると途端に分解が始まります。このように自然界はさまざまな生物たちの共存共生のバランスの上に成り立っていることがわかります。

道路やコンクリートの上で土に還れない落ち葉がありましたら、落ち葉ステーションにぜひ持ち込んでください。畑の堆肥用に、環境改善の資材に、必要な方のもとでお役立てください。
みなさまと身近な落ち葉を循環させる喜びを共有したいと思います。

柵のラインには溝を掘り、もみ殻燻炭や藁を。通気浸透を促す造作は欠かしません。

チャリティをいただきました「落ち葉は宝プロジェクト」では、落ち葉ステーションの設置を各地で予定しております。

今後も地球守の活動にご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


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